この大きめの絵馬は、おしゃれな若者が営んでいる、コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな古道具屋にあった。
変わったものが多くあるお店だったが、中でも絵馬は浮いていた。
昔から、教室の隅でポツンとしている子だったり、宴会で一言も話せないような人に興味を持ってしまうところがあったので、絵馬にも目がいき、買って帰った。
当時はまだ喫茶店で働いており、そこは古民家だったので、飾ると馴染みすぎて本物感があり、さすがにスタッフが嫌がるかなと思ったが、私が店長を退いたあとも、外されることなく飾ってくれていた。
そして今年、古道具屋開店の折に持ってきた。
喫茶店が少し軽やかになった気がした。
若者の店ではあんなに浮いていたが、「ものとかたり」では馴染みすぎて目立たなくなってしまった。
つまり、若者のセンスは優れていたということだ。だって、とても目を引いたのだから。
絵馬は願い事を書いたり、祈願が成就したお礼として神社や寺院に奉納するものだが、この絵馬の意図はなんだろう?
長い間、「母と子供が二人、松原を散歩する絵」と思っていたのだが、古道具開店にあたりよくよく見直すと、殆ど消えかかっているが、一番右に男の人が描かれているのを発見した。
途端に寂しいと思っていた絵馬が、幸せなものに感じ始めた。
父親の位置は三人より少し浮いている。
つまりこの絵馬は、先に亡くなった父親に「どうぞ母子三人を見守っていて下さい」と、願う絵馬なのではないだろうか。
地味ながら、とても愛情深いものを手に入れたと思っている。
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横 256mm
縦 168mm
厚 12mm
※サイズは多少の誤差がございますので、ご了承下さい。
※古道具ですので、傷や汚れの程度を写真にてご確認いただき、ご不明な点は必ずご購入前にお問い合わせください。お客様都合による返品・返金はできかねますので、あらかじめご了承ください。
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